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相続した家の名義が、亡くなった親のままになっている

親が亡くなって何年も経つのに、家の名義はそのまま。「義務になったらしい」「罰金があるらしい」と聞いて、不安になって調べている。そんな方のためのページです。先に申し上げると、いまからでも手続きはできますし、兄弟で話がまとまっていなくてもできることがあります。

  1. 最初に知っておきたいこと
  2. 過料について、落ち着いて
  3. 話がまとまらない時
  4. 書類が見つからない時
  5. そのままにしておくと
  6. 急がなくていいこと
  7. ご相談の入口
畳の上で古い写真とアルバムを手に取る手元

最初に知っておきたいこと

亡くなった方の名義の家を、受け継いだ方の名義に移す手続きを「相続登記」といいます。法務局に申請して行います。長い間、するかしないかは持ち主に任されていましたが、2024年4月1日から義務になりました。

期限は、二通りあります。

  • 2024年4月1日より後に相続した家は、相続して家を受け継いだことを知った日から3年以内。
  • 2024年4月1日より前に相続した家で、名義がそのままになっているものは、2027年3月31日まで(相続したことを知ったのが2024年4月1日より後なら、知った日から3年以内)。

何年も前に親御さんが亡くなり、名義がそのままになっている家は、ほとんどが後のほうに当たります。

兄弟で話し合って誰が受け継ぐかを決めた(遺産分割をした)場合は、その話がまとまった日から3年以内に、その内容どおりの登記をすることになっています。

登記の手続きそのものは、司法書士の先生のお仕事です。ご自分で法務局に申請することもできます。当協会は、「何から手をつければいいか」「誰に頼めばいいか」を一緒に整理するところを担います。

過料について、落ち着いて

正当な理由がないのに期限内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になることがあります。過料は、お金を納めるよう命じられる処分で、罰金に似ていますが、刑法で定める刑罰(罰金など)とは別のものです。

いきなり科されるわけではありません。法務省が公表している流れでは、まず法務局から「登記をしてください」という催告の書面が届きます。その期限内に登記をするか、できない事情を説明して正当な理由があると認められれば、裁判所への通知は行われません。それでも登記がされない時に、裁判所が事情を見て金額を決めます。

正当な理由として挙げられている例には、相続人がとても多くて戸籍の収集や相続人の把握に時間がかかる、遺言の効力や遺産の範囲について争いがあって誰のものか決まらない、本人が重い病気である、費用を負担することが難しいほど生活に困っている、などがあります。これに当たらなくても、事情によっては認められることがあります。

つまり、「放っておいたら急にお金を取られる」というものではありません。知らずに不安になっていた方は、この点だけでも少し安心していただけると思います。そのうえで、期限は期限として、落ち着いて準備を進めるのがいちばんです。

兄弟で話がまとまらない時

名義がそのままになっている理由で多いのが、「誰が受け継ぐか、兄弟で話がついていない」です。話がつかないと登記もできない、と思われがちですが、話がまとまる前にできる手続きがあります。

相続人申告登記という手続きです。「名義人が亡くなったこと」と「自分がその相続人であること」を法務局に申し出るもので、期限内にこれをしておけば、相続登記の義務を果たしたことになります。相続人のうち一人で申し出ることができ、ほかの兄弟の同意はいりません。

ただし、これは「誰が受け継いだか」を決める登記ではないので、家を売ったり、担保に入れたりする時には、改めてきちんとした相続登記が要ります。また、申し出た人だけが義務を果たしたことになり、兄弟それぞれが申し出る必要があります。話がまとまった後は、その日から3年以内に本来の登記をします。

話し合いそのものがこじれている時は、弁護士の先生のお仕事になります。お付き合いのある先生がいらっしゃればその先生へ、いらっしゃらない場合はご案内します。当協会は、話し合いの中身に立ち入ったり、誰が受け継ぐべきかを申し上げたりはしません。

書類が見つからない時

権利証がどこにあるか分からない、親の戸籍をどこで取ればいいか分からない。こうしたご相談もよく伺います。

権利証が見つからなくても、それだけで手続きが止まるとは限りません。相続登記では、亡くなった方と相続人の関係を示す戸籍の書類が中心になります。何が要るかは家の事情で変わりますので、司法書士の先生に見てもらうのがいちばん確かです。

ご相談の時に書類がそろっていなくても構いません。「どこにあるか分からない」ところから、一緒に探す順番を考えます。

そのままにしておくと起きること

期限や過料とは別に、名義をそのままにしておくと起きることがあります。

  • 売る、貸す、取り壊す、といった大きなことが、その場で進められません。名義を移すところから始めることになります。
  • 時間が経つと、相続人が増えていきます。兄弟の誰かが亡くなると、その配偶者やお子さんが新しく相続人になり、話し合う相手が増えます。
  • 固定資産税は、名義が亡くなった方のままでも、多くの場合、相続人のどなたかが受け取って納め続けることになります。納めている人と、将来受け継ぐ人が別々のままの状態が続きます。

どれも、今日起きることではありません。ただ、話し合える人が元気なうちに名義を整えておくと、次の世代に同じ悩みを残さずに済みます。

急がなくていいこと

名義を整えることと、その家をどうするかは、別のことです。登記をしたからといって、売らなければいけないわけではありません。売るのか、貸すのか、住むのか、置いておくのか。その結論は急がなくて構いません。

家の中の物を全部片付けることも、登記の前にする必要はありません。順番としては、名義のことを先に整え、家をどうするかは、ご家族の気持ちが揃ってから、で十分です。家が空いたままになっている場合のことは、空き家になった実家のページに書きました。

ご相談の入口

お電話では、いつ亡くなられたか、相続人は何人くらいか、話し合いはどこまで進んでいるか、家はいまどうなっているか、といったことを伺います。分からないところは「分からない」で構いません。

お話を伺ったうえで、いま必要なのが登記の手続きなのか、ご家族での話し合いなのか、書類を探すことなのかを一緒に整理し、必要な時は司法書士や弁護士の先生をご案内します。お付き合いのある先生がいらっしゃれば、その先生へお戻しします。

まずは、いまの状況をお聞かせください。

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